【企画展】植田正治のアプローチ〈人物〉
概要
展覧会名 | 植田正治のアプローチ〈人物〉 |
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会期 | 2023年6月17日(土)― 9月10日(日) |
開館時間 | 午前10時から午後5時(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 火曜日(祝日の場合は翌日)ただし、8月15日は開館します |
会場 | 植田正治写真美術館 〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3 tel.0859-39-8000 |
入館料 |
一般1,000円(900円) 高校・大学生500円(400円) 小・中学生300円(200円) |
主催 | 伯耆町/植田正治写真美術館 |
今回の企画は、写真家が被写体にどのように向かい合い、どのように撮影したのか、いわば「対象へのアプローチ」をキーワードに、植田正治の人物写真に着目します。
〈綴方・私の家族〉として発表された弓ヶ浜での家族写真や砂丘での演出写真など、もっとも植田らしいイメージの数々は、植田が地元、境港で写真館でのスタジオ撮影の延長線上にあるように思えてなりません。広々とした砂浜や砂丘は植田にとっては、天然のスタジオであり、写真表現の実験の場でした。「演出」と呼ばれる写真家の意図による人物の配置やポーズづけも、写真館での植田の経験がベースになっているように感じられます。
そんな植田も、1950年代はじめリアリズム運動の中で、人物が撮れないと語っていたことがあります。植田にとって写真とは何かを自問しながら、その後「自分の写真」を模索していったのでしょう。1950年代末、植田は周囲に、「自分の今後進むべき道を再認識した」と語っています。その後のシリーズ〈童暦〉、〈小さい伝記〉をみると、多くの人物写真であふれています。植田は試行錯誤のなかで、自身の写真の原点に立ち返り、「撮ること」、そして「撮られること」とは何か、さらに、カメラを意識させ正面から撮るという方法論が、植田にとっての明確な人物へのアプローチとなっていきます。カメラを意識させずに人々の自然な姿を撮ることもひとつの方法ではありますが、撮影という行為において、カメラを意識させることもある意味、「自然」と考えたのでしょう。向けられたカメラに、被写体の人々がどのように反応するか、撮られることに不慣れな人々の素朴でストレートな反応をそのままにとらえることも、植田ならではのアプローチであり、作品の魅力ではないでしょうか。
【主な出品作品】
パパとママとコドモたち 1949年
少女たち 1950年
砂丘人物 1950年頃
シリーズ〈童暦〉より 1959-70年
シリーズ〈小さい伝記〉より 1974-85年
シリーズ〈白い風〉より 1980-81年